フィンバックミノー ~改良の報告~

コレ、毎度の事なのですが、開発中のルアーが完成に近づくにつれ、妙な悩み(迷い)が生じます。フィンバックミノーを開発するにあたってのテーマは明確でした。よって、コンセプトを実現するべく設けた各項目も忠実に再現できてはいます。しかし、いつも迷うのはこの辺に含まれていまして、”テーマを実現するあまり、何かを見失ってはいないか…。”そんな案配なもんですから、完成を目前としながらも、幾つか気になる箇所をピックアップし、一部改良も加え、現在も慎重に最後の確認を行っている最中です。

【フィン改良】




この図を見れば一目瞭然ですが、縦のヒレから横に広がるように”水かき”を設けました。コレによって得られたのは、「①:より鮮明な振動」と「②:浮き上がりの抑制」となります。言い換えれば①はハイピッチアクションを意味し、②は、より水の中に留まれる事を意味します。ここで、①と②の2点がブラッシュアップされると言うことは、本機のコンセプトに矛盾がが生じるのではないか?ソコがとても気になりましたが、、実際の確認作業では全く問題は見受けられませんでした。寧ろユーザーフレンドリーとなった事に安堵しています。


構造につきましては、向かって右が現在の最終モデルのもの。この水かき部分の厚み、ここも薄い程アクションが機敏なのですが、強度を重視して現在は厚みを増した方を採用しました。〇部」フィンの厚みも、片側約1.5mm(計3㎜)とパーティング面とほぼ同じ寸法を持たせ強度を確保しています。ただし、それなりに重量のあるルアーですので、超剛速球での橋脚ストライクなどは注意が必要と思われます。


【フロントフック位置】


初期モデルはセンター近くにフロントフックを設定していましたが、現在は頭部腹側に位置しています。

この位置に至ったのにはちゃんとした訳があります。それは開発当初の2年前の初夏の事。実釣テストで同行していたテスターの木村がバラシを多発した事がありました。その時はあまり意識していなかったのですが、日をおいて行ったデイゲームでの”乗らない連続バイトシーン”の目撃から、原因が明らかとなりました。

その内容を詳しくすると。

通常のミノーなどは鼻先のアイからリーダーが伸びる形となりますが、このフィンバックミノーの様に、後頭部から斜め上方に延びるリーダーがある場合、シーバスのルアーへのアタックにある特徴が見られました。ルアーを追尾の後、追い越すように回り込み、頭部からのバイトが顕著だったのです。つまり、ルアーから延びるリーダーの存在を相手側は認識している言うことになるのでしょう。CADデータ作図上では大きな数値での変更でしたが、実物を見る限りでは、こんな僅かな違いでもフッキングの良し悪しが決まってくる。自分の勉強不足を痛感する出来事でもありました。


こうして金型スタートを目前にしながらも、焦ることなくジックリと確認出来るのは自社開発のメリットではあるのですが、その反面、思った事をなんでも試せてしまう環境な訳ですから、これが時として際限が無いのには困ってしまう事もあります(^^;

とは言っても、そんな悩みも意外とフィールドへ出てしまえばスッキリしてしまう事は一番に心得ている自負もあります。ですから、今は時間さえあれば”水の中の人”となり、昼夜での使用感の違いを確かめている次第です。

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